昔の海苔づくり


海苔読本


日本人の食生活に古くから親しまれてきた「海苔」。海苔はいつ頃から私たちの食卓にのぼるようになったのでしょうか。その歴史をちょっと紐解いてみましょう。


海苔取り

海苔取り

海中に建てたヒビに付着した海苔が約15cmに生長する11月下旬から12月上旬に始まり、翌年3月まで行う。浅瀬以外ではベカという小船で出漁し、木の枝や竹のヒビを使った頃は、引き潮時に収穫。網に替わってからは、潮時に関係なく収穫できるようになる。

ヒビ作り

ヒビ作り

海中で海苔を付着させて育てるために、木の枝や竹、網で作ったものがヒビ。
素材は、江戸時代から大正時代半ばまでは木を、第二次大戦の頃までは竹を、それ以降は網を使用。ヒビ作りは夏場が勝負で、ヒビ建てが始まる9月中旬までに用意する。



乾海苔の準備

乾海苔の準備

収穫した海苔は、乾燥させる前に水に浸け、よくほぐす。海苔を広げて乾燥させる海苔すは、夏から秋にかけて葦で作り、約3年間使用。新しいすには自然の油気があるので海苔を剥がしやすいが、古くなると剥がしにくくなるので、毎年1/3ずつ取り替えた。

海苔切り

海苔切り

海苔取りの翌日早朝から、海苔を包丁で刻む。包丁の種類も時代によって変化。1枚刃のもの、複数刃の飛行機包丁、突き包丁が考案され、昭和初期には回転するまな板用に機械式の包丁も登場。第二次大戦以降、挽き肉製造機式の海苔切機が普及した。



海苔付け・海苔乾し

海苔付け・海苔乾し

刻んだ海苔は海苔すに広げて乾す。「付け場」という作業小屋の流し台の上に海苔すを重ね、乾海苔の大きさを決める付け板という枠を載せ、この中に水で溶いた生海苔を広げる。乾燥は天日干しで行ったが、第二次大戦後は乾燥小屋の中で、火力によって乾燥させた。

乾海苔の保存

乾海苔の保存

乾海苔は湿気に弱く、そのままでは風味や色合いが失われていく。海苔問屋では、年間を通して変質させずに保存するために、炭団(たどん)を使って焙炉(ほいろ)で熱し(火入れ)、江戸時代は海苔甕(かめ)で、明治時代以降はブリキを内張りした海苔箱で保存した(囲い)。



海苔生産用具




海苔生産用具

写真提供
大田区立郷土博物館(TEL/03-3777-1070)「大森及び周辺地域の海苔生産用具」解説絵はがきより
※大田区立郷土博物館では実際に使われていた海苔の生産用具を間近で見学することができる。